Strawberry & Chocolate
パンッ!
パパンッ!
古びた道場に竹刀を打ち合う音がこだまする。
ここは俺が小2の頃から通う命清流剣術道場。
「…よしっ!!今日の稽古はここまでじゃ!!」
「「「有難う御座いましたっ!!」」」」
教えているのは師範の命清 尊(メイセイ ミコト)先生。
87歳とはとうてい思えないほどのパワフルじーさんだ。
この道場も昔は生徒があふれるってくらいいたんだけど、今は俺も含めて7人だけになってしまった。
少子化なのか、剣術を学ぶ子供たちが少なくなったせいなのか、それはわからないけど。
今の道場は昔みたいにあまり活気が溢れなくなってしまった。
かく言う俺も、部活入ってからあまり道場に通えてないし。
それより、さっさと帰らないと夕食の時間に遅れちまうな。
「ソラ」
そう思って急いで着替えを終えたら師範に呼び出しくらってしまった。
「何すか師範。俺、早く帰んねえと飯抜きにされるんすけど?」
「何じゃ師匠に対してその口の聞き方は!!もっと老人を労らんかっ!!」
バシィッ!!
竹刀ではたかれた。
…俺、昨日からヤケにとばっちりうけてるような…っ。
「ス、スンマセン…。で、何すか?」
「うむ。まぁ…呼んでみただけじゃ」
「マジぶん殴る!!」
「冗談じゃ」
「じゃあ俺帰ります!!」
「待て待て。来週から小梅嬢がまた道場に通うことになってな。ホレ、ワシも歳じゃからな。お前がちょっと相手になってくれんかと思うての」
え?
小梅が…?
てか、師匠まだ現役バリバリじゃねぇかよ。
こーゆー時だけ老人に戻るなよ。
俺も正直あんま小梅の相手したくねぇんだつーのっ。
ブランクあるからっていっても多分すぐに感覚戻ると思うし。