Strawberry & Chocolate
とっさに後ろに跳ねたが、ガードした左腕からは滴り落ちる血。
見事に爪で引き裂かれた。
幸いなことは、あんまり傷が深くないってことくらいか…。
後ろに飛んだことでちょっとはダメージが減ったらしいけど。
いっ…いってぇ…!!
こりゃ何針かは縫うことになりそうだな。
って…そんなのん気なこと考えてる場合じゃないだろ、俺っ!
痛みでその場に突っ立ったままの身体に活をいれる。
もう一撃くる…!!
今度は両の爪で…。
くそ…っ!!
身体が…動かねえ…っ!!
迫る鋭い爪。
…俺は…こんなとこで死ぬわけには…っ!!
リナ…―!!
ドシュッ!!
突然空からの光線が巨人の身体を貫いた。
巨人の身体を貫通して、俺の体に当たった小さな石。
な、何だこれ…?
光ってる…!?
-生きたいですか?-
「え…!?」
頭の中に響いてくる声。
この声…どこかで…!?
-生きたいですか?死にたいですか?-
「い、生きたいに決まってる…っ!!」
-ならば名を名乗りなさい-
名前…?
そうか…この声…―。
「俺の名前は…中村ソラ」
…愛しい君がつけてくれた、俺の唯一無二の宝物――。