Strawberry & Chocolate
「…うん。あたしも…もう迷わない。記憶、取り戻そう。二人で」
リナは涙を拭って真っ直ぐに俺を見つめた。
あの…そんな目で見られると俺の理性ヤバくなるんすけど…っ!
な、なんか話題変えねえとっ!
「よしっ!…じゃあハイこれっ!!」
俺はポケットから金色の十字架ペンダントを取り出した。
…実をいうと、ホントは去年の誕生日にあげる予定だったんだが…。
毎年俺らの誕生日はわいわいがやがやと大勢集まるからな。
色々あって結局渡せなかった。
「なにこれ?」
「約束の証。ほら、俺もお揃いでつけてる」
都合のいいように去年のへたれな俺をごまかす。
「な?これで〝一緒〟だろ?」
どこにいても俺は必ず君のそばにいるから。
リナは笑ってペンダントをつけた。
君がそうやって笑ったり泣いたりしてくれるから。
それだけで俺は幸せな気持ちになれるんだ。
だからいつかまた…君に約束できる日がくることを願いたい。
今度はずっと一緒にいるって――。