Strawberry & Chocolate
「おー。楓くん、遅かったねぇ。どこで迷ってたんだい?」
「なんでわかんだよ!」
「…あの、月島さ…先生。彼は…」
「あぁ。昨日言ってた転校生だよ」
何々!?
彼女、俺のこと知ってんのか!?
マジで!?
「そうだったんですか。すみません、転校生だと気づかなくて。月島さんから聞いていたんですが…」
「いえ!そんな…!!俺だってそうだと名乗らなかったわけだし!!」
「本当にごめんなさい。私、綾小路 小梅と申します。これからよろしくお願いしますね。三笠くん」
「い、いえ!!…あ、楓でいいッスよ!!こっこちらこそよろしく!!」
やべぇっ。
いきなりの自己紹介で声裏返っちまった…っ!
「あ、綾小路さん、もしかして俺と同じクラスなんすか!?」
「あ、いえ。クラスは違いますけど委員会は同じですよ。これから一年、一緒に頑張りましょうね!」
クラス違うのは残念だがっ!!
だけど一緒の委員会にしてくれてありがとう神様ー!!
「んじゃ、さっそくだけど、今からこの場所に急行してもらおうかな」
「んだよ!?いきなりきてイーヴル退治かよ!?」
俺は緑だけに聞こえるように小声で怒鳴った。
にも関わらず。
「そゆこと。じゃ頼んだよ、綾小路さん、楓くん。他の人には俺が伝えておくから」
…お構いなしに俺と綾小路さんにまでしゃべりやがった。
「わかりました。…では急ぎましょうか、楓くん」
「おぅ!!」
……って、うん!?