Strawberry & Chocolate
何となく気づいた気がする。
あたしがなぜ魔法を使えないのか。
それはきっと、あたし自身が信じていないからなんだ。
自分の〝力〟を。
それは恋だって同じ。
自分の気持ちを自覚して初めてスタートラインに立てる。
魔法だって…きっとそうなんだ。
だから、小梅ママは言ったんだ。
あたし次第って。
あたしはずっと自分のことを…力を否定してたから。
スタートラインにすら立ててなかった。
信じることから始めよう。
魔法を使うなら。
使いたいと…戦いたいと思うなら。
あたしは小梅より少し遅れてリビングへ入った。
「リナ遅いぞー。何してたんだよ?」
「ゴメンねーソラ。お腹空かせちゃって!」
「全くだ。
…それはそうと、リナ。なんかあったのか?」
「ん?なんで?」
「なんつーかさ、スッキリしたような顔してるから。最近何か表情ずっと曇ってたじゃん?」
「そう?エヘヘっ!」
みんなとはだいぶ遅れて立つスタートライン。
もう少しだけ時間はかかっちゃうかもしれないけど。
あたし、ちゃんと戦えるようになるから。
この街を守れるように。
みんなと並んで戦えるように――。