Strawberry & Chocolate
No.41 浜辺の戦い~小梅side
「え…っ!?」
ザザン…。
ザザン――。
私の動揺とは裏腹に穏やかな波の音が聞こえた。
「ど、どうして…!?」
だって私、ほんの十数秒前まで歴史館の前にいて、イーヴルと戦っていたのに…!?
ビュンッ!!
どこからともなく風が吹いた。
そして、私の腕には切り傷が出来ていた。
一体…何がどうなって…!?
「…あなたが私をここに連れてきたんですか!?カメリア…さん…っ!!」
さっきと変わらない無表情でカメリアさんは私の目の前に立っていた。
「あぁ。そうだ」
「一体…何のためにですか!?」
「何のために?〝戦う〟ために決まってるだろう」
その応えはまるでシンプル。
そうだ。
例え彼らに何の目的があろうとも、私たちとは相容れない存在。
人間と〝イーヴル〟。
奪われる者と奪う者。
「戦うためだけならば、あの場でもよかったのでは?わざわざこんな離れた場所に連れてこなくても…」
「ここの方が俺の武器と相性がいいからな。それより、いいのか?構えなくて」
「構える…?」
「攻撃はとっくに始まってる」