Strawberry & Chocolate
私は制服のリボンをほどき、目に巻きつけた。
途端に目の前は真っ暗闇になった。
「諦めたのか?…つまらん女だ」
カメリアさんの言葉が頭の奥深くにまで響く。
集中するんだ私。
全身を脱力して。
全ての神経を研ぎ澄まして。
ビュビュンッ!!
ビュビュンビュンッ!!
例え目には見えなくとも。
風は強ければ強いほど、吹く音は響き渡る。
聴力と風の気配を頼りに私は薙刀を振るった。
ガキキィン…!!
「…音だけで…!?無数の風をなぎ払ったのか…!?」
振るった瞬間、私の足はカメリアさんのもとへと駆けていく。
考えるヒマを与えるな。
反撃するヒマを与えるな…っ!
目隠しをとり、目前に迫ったカメリアさんへ薙刀をかざした。
…斬るの?
〝私〟が…?
不意に、心の中で〝私〟が〝私〟に問いかけてきた。
何を、言ってるの…?
だって。
だって、目の前にいるのは―…。
私の、その一瞬のためらいをカメリアさんはもちろん見逃さなかった。