Strawberry & Chocolate
No.43 届いた刃~小梅side
「さて…。キリト様のもとへ戻るか…」
「……ま、待って…下さ…い……っ!」
ザンッ!!
寝るな小梅!!
前を向け!!
カメリアさんを見ろ!!
薙刀を支え棒代わりに。
私は立ち上がりカメリアさんと向き合った。
「みん…なの……ところへ、も…戻るのなら…!私も…連れて行きなさい!!」
「…そんな姿でよく俺に命令できるな。我が儘なとこはやはり温室育ちだからか?」
「…それも…そうですね。……こんな姿で…っ。私のお願いなんて、聞いて…もらえるわけ…ありませんよね…」
「ならばどうする?」
「…あなたに勝って…!力ずくでも私をみんなのところへ…帰してもらいますっ!!」
「そんな状態でか?やれるもんならやってみろ!!」
ビュンッ!!
カメリアさんから風の刃が放たれた。
ギィン!!
薙刀を振るい相殺させる。
カメリアさんは次の手に移ろうとしていた。
けれど、それよりも早く、私の体は動き出していた。
バシャンッ!!
薙刀で海を払い、海水をカメリアさんへ向けて放る。
「眼くらましか…。こんなものっ!」
すぐさまカメリアさんは風で海水を弾き返した。
眼くらましにもならないことくらいわかる。
でも一瞬でいい。
一瞬でも気を引かせることができれば…!!
私は姿勢と薙刀を低く構えて一気にカメリアさんの元へ駆け寄る。