Strawberry & Chocolate

「キリト様には…力をはかるだけと言われていたが…!貴様のような甘ったれは潰した方がよさそうだ!!」







舞い上がった砂や石が一瞬で塵になる。





あんなのに真っ正面からぶつかっていけば木っ端微塵、粉々にされる…っ!!



ならば…!





私はカメリアさんの真正面へ走り出した。









「そのまま突っ込んで粉々になるつもりか!?」






そんなカメリアさんの言葉も聞かず、私はひたすらに走った。







全部カメリアさんが言った通り。




私は温室育ちの我が儘で甘ちゃんだ。





イーヴルは化け物。



倒さなければならない人類の敵。




それなのに。



今まで、倒してきたはずなのに。



イーヴルが人間の形になっただけなのに。




こんなにも倒すことをためらってしまっている。





目の前にいるのは倒すべきイーヴルなのに。







「砕け散れ!!」






目前に迫った無数の風の刃。





ダンッ!!




私は有らん限りの力で砂浜を蹴った。




空へ上がる私の体。






風がいくら強くて、うねっていても竜巻には目がある。



台風だって同じ。




そこだけは、無風空間!!




私はすかさず薙刀を構える。





天から地へ、ただ、己の〝剣〟を振り下ろす。





ザンッ!!







「ぐ…っ!!ぐぁあああっ!!」





カメリアさんの右肩から腰の辺りまで、真っ直ぐに。



私の刃はカメリアさんを切り裂いた。

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