Strawberry & Chocolate
No.45 〝彼女〟の力~楓side
ドォォン!!
目が、眩んだ。
轟音と共に、まばゆい光が辺り一面に広がった。
それは、途中から降り始めた雨雲さえも覆い払ってしまうほどの光。
この世界中が震えたような気がした。
魔力がない俺でも、〝Hope Lights〟の魔力を借りてしか扱えない俺でもわかるような…。
とてつもなく大きな力。
その中心、発生源にいるのは――。
「な…っ、中村…さん…!?」
その力は、俺が戦っていた3体のイーヴルを一瞬で消し去り、進化した〝彼ら〟…〝六虚兵〟ですら身動きが取れないほどのものだった。
『ウ、ウソじゃろ!?この力…っ!!あの、桜月の娘の――!?』
桜月?
前永さん、何ぶつくさ言ってんだ?
「ねぇ…なんで?」
「中村さん…!?」
「ねぇ、どうして?なんでまだ戦ってるの?
…あたし、言われた通り、〝希望の光〟創ったよ?これで戦争は終わるんだよね?終わったんだよね!?なのに、なんで?ねぇ、なんでまだ戦ってるの?ねぇ…桐人(キリト)?」
キリト…?
キリトってあの、ソラそっくりなヤツのことだよな?
てか、中村さん…なんて、なんて冷たい目をしてるんだよ…?
··
あれは。
あれは本当に、中村さん…か?
「ねぇ、答えてよ。…桐人」
中村さんと…あのキリトってやつ、知り合いなのか?
「戦争は…もう、とっくの昔に終わったよ」
「終わった…?」
「あぁ。そうだ」
「どこが?こんなに血が流れてるじゃない!?どこが終わったの!?」
「違う…っ。これは…っ!」
戦争?
あの二人、何のこと話して…?
「ねぇ、正直に言ってよ桐人。本当はまだ終わってないんだよね?そうなんだよね?」
「いや、違うんだ。戦争は65年前に終わって…」
「ねぇ、桐人。あたしあの時、言ったよね?こんな、まどろっこしいものを創るより、いっそ世界を創り変えた方がいいって!!」