Strawberry & Chocolate
「うん、その可能性も無きにしも非ずだな。けど…何か俺ヘコむよ…」
「え!?何で!?」
「リナはちゃんと記憶思い出してるのにさー。俺はなんて言うか曖昧なことしか思い出してねーんだもん…」
「そんな焦ることじゃないよソラ。曖昧なことでも思い出してるんだから。過去と向き合う前のあたしたちから見たらこれは進歩だよ」
「…それもそうだな。リナの言うとおりだ。てか、何かリナ、たくましくなってないか?」
…逞しくなんてないよ。
あたしの力の話を聞いた時、月島先生にあたっちゃったし。
今だってあたしが本当に魔法を使えるようになるのか自信なんて全然ないけど。
でも、だけど、あたしだけが戦えないのはもうイヤだから。
「そっか…。でもさ…リナ。俺、ヒドいこと言っていいか?」
「ヒドいこと…?」
「俺は…正直、リナは今のままでいいと思うんだ…。戦わせたくない。危険な目には合わせたくないんだよ…。これは小梅にも言えることだけど。俺のワガママだってことはわかってる。
けど、リナ。ムリして戦おうとしなくていいんだ。イヤならイヤでいい。昨日は守ってやれなかったけど、次は必ずお前を守るから」
…ありがとう、ソラ。
あなたのそんな優しいとこが、あたしは大好きなの。
でもね、大好きだから、あたしを守る為にソラが傷つくとこなんて、見たくないんだ。
あなたがあたしを守りたいように、あたしもあなたを守りたい。
「…ありがと、ホントに。でもね、あたし守られてるだけはもうイヤ。見てるだけなんて耐えられないの。あたしだってソラを守りたいんだから。だからそのお願いは聞けないな」
「だよな…。言ってみただけだ。
…さて、そろそろ寝るか。明日の朝は早いみてーだし。今日のうちに疲れとっとかないとな!」
「うんそうだね!!久しぶりに一緒に寝ようよソラ!!」
ぶはぁ!!
ソラが飲んでた水を一気に吹き出した。
汚いなーソラったら!
後片付け増やさないでよね!
「だ、だってお前なぁ…!」
「いいじゃない!今でも雨の日は一緒に寝てるんだし!あたしのお願い聞けないの?」
「人のお願いは断っといてよく言うよ…」