Strawberry & Chocolate
No.52 出発~リナside
翌日、なぜだか小梅と柳人にしこたま怒られ朝をむかえた。
もう、朝からウルサいな二人とも。
別に一緒に寝てたからって何なのさ。
「歳を考えましょうよリナ…」
「歳を考える?あたしたち15歳だけど?」
「…リナがそんなだから幼なじみとしてしか見られないんですよ」
「え!?どーゆーことよ小梅それ!!聞き捨てならないよ!!あたしのボディのどこが悪いっての!?」
「体型のことを言ったんではないんですが…。ほら、着きましたよ」
小梅に連れられあたしたちが案内されたのは、綾小路邸内にある普段は様々なお偉いさん方を呼んでパーティーが行われるホールだった。
昔遊んでた時に見たことあるけど、この中、豪華なシャンデリアに超高級そうなテーブルがずらりと並べられて、子どもだったあたしでもここは遊ぶところじゃないって直感したのを覚えてる。
けれど今日はそんな豪華な椅子やテーブルは全て片付けられていて。
カラッポのホールの床には大きな円をした不思議な模様が描かれていた。
これって俗に言う魔法陣ってやつだよね…?
こんなとこにでっかくこんなん描いちゃって…。
「これくらい大きな魔法陣でないと一度に何人も移動できないからね」
月島先生がそう説明をする。
先生が言うには人一人移動させるだけでも普通はかなりの魔力を消費するらしい。
一度に大勢を移動させなければいけない今回は、より膨大な魔力が必要なんだって。
「そんなに大変なものなんですね。移動魔法って…」
「そうなんだ。でも今回は〝大魔女〟に協力してもらってるから俺たちにかかる負担はかなり激減してるけどね」
月島先生によると、この巨大な魔法陣を描いたのも小梅ママらしい。
しかも一人で。
小梅ママってホントにスゴい魔女さんだったんだね。