Strawberry & Chocolate
「さて、連絡事項はそれくらいにして…。そろそろ行こうか。楓くん、中村さん、魔法陣の中心に立って」
「はーい…」
たった数日だもん。
それくらい耐えなくちゃね。
あたしが魔法を会得出来たらすぐ戻ってこれるんだから。
あたしの頑張り次第なんだから。
寂しいなんて思っちゃいけない。
笑顔で…言わなきゃ。
「じゃあ…行ってくるね!!小梅、柳人、ソラ!!」
魔法陣の外で見守るみんなに精一杯の笑顔で手を振る。
「無理しないで下さいね!!」
「無理すんなよ!!」
小梅…ソラ…っ。
もうここはただ頑張れって言ってくれるだけでいいのに…っ!
そんなこと言われたら縋りたくなっちゃうじゃん…っ。
甘えたくなっちゃうじゃんか…っ!
唇を噛んで必死に泣くのを耐えた。
こんなことくらいで泣いてどうするのリナ…っ!!
強くならなきゃ…!!
みんなを、ソラを守れるようになって…帰ってくるんだから!!
「…うん!!行ってくる!!」
あたしのその言葉を合図に月島さんは魔法陣を発動させた。
「フリマエラスェーラ、この3人をヴァイズへ!!!」
その瞬間、魔法陣から眩い光が発せられ、気がついた時には。
あたしたちは森の中にいた。