Strawberry & Chocolate
┗No.52.8 離れるべきは~月島side
中村さんが残る3人に別れを告げてる最中、ぼそりと俺だけに聞こえるように楓くんが呟いた。
「なぁ、緑。やっぱり俺だけ行くのはさ、中村さんにとっては不安材料にしかなんねえんじゃねえか?」
楓くんがそう言うのも無理はない。
綾小路さんたちが行かないと知った瞬間の中村さんのテンションの落ち度はハンパなかった。
それだけ長い間、綾小路さんたちと一緒にいることが当たり前だったんだろう。
悪く言うなら依存し合ってると言っても過言ではない。
けれど…。
「彼らが一緒だと、中村さんの為にはならないと思うんだ。彼らは中村さんに甘いからね」
「けどさ、それがマイナスに出ちまったら意味ねーじゃん。力会得するどころじゃねーだろ?」
それはそうだけど…。
でも今回、中村さんと楓くんだけでヴァイズに行くと決めたのは俺じゃない。
〝大魔女〟だ。
俺だって今の楓くんと同じ懸念を〝大魔女〟にもぶつけた。
けれども彼女は…。