Strawberry & Chocolate
「…その、行方知れずになった王家の人間の一人が〝大魔女〟なんだ」
「えええ!?小梅ママが!?てか王家の人間だったの!?てゆーか小梅ママはそんなひどいことする人じゃないよ!!何かの間違いだよ!!」
「そう思いたい中村さんの気持ちは分かるけど…。
··
でもここでは事実なんだよ」
「そんな…っ!!」
国民を苦しめる原因を作ったのが…小梅ママだなんて…!!
「…さぁ、もうこの話はよそう。中村さんが気に病むようなことじゃない。これは俺たちの問題なんだから。それに、中村さんが救うべきなのはここじゃなく苺市だろう?」
それはそうだけど…。
でもそんな話されて…黙ってなんていられない。
けど、今のあたしに何が出来るのかな?
ここは月島先生たちの国だもん。
部外者のあたしが首を突っ込んでいいとこじゃない。
力になりたい…けど…あたしじゃ何もできないんだ…っ。
「中村さん。今は泣いてる時じゃねえだろ。ここじゃ何も出来ないけど早く魔法習得して苺市に帰ったら出来ること、あるんじゃねえか?〝大魔女〟に話を聞くとかさ」
「…楓くん…」
そうだね…。
できないことを悔やんでも仕方ないよね。
だったら目の前のやるべきことを片付けてあたしが出来ることを探そう。
早く帰って、小梅ママに話さなきゃ…!!
小梅ママの故郷の状況を!!
「…じゃ、行こうか。真中区域へ」
「「はいっ!!」」