Strawberry & Chocolate
「何だよ?さっきから一人で百面相なんかして」
「え…。いえ…そのー…」
うまく言い訳できない。
今日はやっぱりもうダメだな私…。
早く寝よう…。
「…ったく。…ほらよ」
「えっ!?わっ!!」
ちょっ…!
急に物投げないで下さいよっ!
…って、これ…。
「…チョコレート?」
「どーせ、お前のことだから、何があってそんなに怯えてんのか、聞いたってはぐらかすだろ?
だから…まぁ、なんだ。それでも食って少し落ち着けよ」
「…柳人には全部見透かされますね、私…」
「小梅はわかりやすいんだよ」
そう言って柳人は悪戯な笑みを浮かべた。
口に運んだチョコレートはビターな味。
だけど、私には甘く感じた。
私が柳人に感じている想いとちょっと似てる味がしたの。
自分でもまだ曖昧でよくわからないんだけど。
柳人といると何故か心が落ち着くような気がする。
柳人にだけは私の歌、聴いてもらいたいなって思う。
…柳人には迷惑かもしれないけれど。
この気持ちは何だろう…―?