Strawberry & Chocolate
「で?まだ元気ないのか?」
「え…」
「昨日、チョコやったろ?」
「…えぇ。そうですね!もう…大丈夫ですっ。チョコレートのおかげで」
「バカにしてんの?小梅」
…こんなにも。
こんなにも、当たり前だと思っていた日常が幸せなんだなんて知らなかった。
日常の裏側に潜んでいた脅威を知って初めて実感した。
-「イーヴルはこの街を選んだ」-
-「”Hope Light〟に選ばれた者でなければイーヴルは倒せない」-
ようやく決心がついた。
怯えている場合じゃない。
自分に出来ることをすると決めていた。
〝Hope Light〟を扱えるのが私だけならば。
私が出来ることはただ一つ。
教室に入る前、私は昨日教えてもらった番号に電話をかけた。
『…はい、月島です。どうしました?綾小路さん』
「月島さん。……私、決めました」
『何を?』
「私、戦います。イーヴルと。
……この日常を守る為に」