Strawberry & Chocolate
しかしこの苺蘭学園はデカい。
階段へたどり着くにも一苦労。
何せ今は昼休みで生徒が廊下にもうじゃうじゃいるし。
少子化の時代に一学年20クラスもあるなんてこの学校だけだと思う。
エスカレーター制だが、外部枠も設けていて、その倍率は3倍を優に超える。
超難関校と呼ばれているが、ぶっちゃけ私立だから金さえ積めば誰だって入れるんだがな。
ただこの季節、慣れない外部枠の生徒が目障りで仕方ない。
「あ、あのっ!!〝隼人〟(ハヤト)くん!!」
……またかよ。
〝隼人〟と呼ばれて振り向くと、1年らしき女子が3人並んで俺を見ていた。
…むちゃくちゃキラキラした乙女な目で。
ウザ…。
こいつら完璧外部枠だな。
「隼人くんっ。あのね、良かったら一緒にお昼食べない?」
食わねえし。
ただでさえ今日は教師にも、上級生にも隼人と間違われて腹立ってんのに。
俺には屋上に行って昼寝をするという大事な使命があるんだっつーの。
構ってられるか。
「俺、〝隼人〟じゃねぇんだけど?」
「「「えっ!?」」」
無駄にキレ-に声揃ったなコイツら。