Strawberry & Chocolate
「…空、すごくきれいですね」
小梅は寝転びながら空に向けて手を伸ばしていた。
…ホント、変わったお嬢様だよな。
泥んこ遊びもしたことねぇって感じの環境に育ってんのに、こんな埃が舞う屋上で寝そべってやがるし。
言葉使いは丁寧で、態度とかも気品があるっていうのに、中身はガサツっていうか、はちゃめちゃっていうか…。
「俺の特等席貸してやってんだから料金くらい払えよ」
「えぇ?!何ですかそれっ!…結構ケチなんですね、柳人」
「当たり前だろ。昼寝すんだし子守唄くらい歌えよ」
「思ってたんですけど…柳人って子供っぽいですよね。意外に」
「バカにすんなら追い出すぞコラ」
「はいはい。分かりましたっ」
クスクスと笑いながら小梅は歌い始めた。