Strawberry & Chocolate
『お前、小梅一人にイーヴルの相手させるつもりなのかよ!?それでも男か!?』
ホントにこのぬいぐるみは…!
「〝Hope Lights〟とやらは他にも数あんだろうが!つーか小梅!お前だってなんでわざわざコイツらの言いなりになってんだよ?こんな意味不なもん他のヤツらに任しときゃいーじゃねぇか!?」
「えっ!?…えっとー…」
『何だよその言い種!!お前まるで…!!』
「いいの。ルゥ。…柳人の言うことわかる。
確かに、こんな危険なこと、他の人に任せてしまえばいいのだけれど………」
「だけど……なんだ?」
「でも、誰かがやらなくてはいけないことなら。そして、それが私にもできることなら…。私は…私のできることを精一杯やりたいと思う」
――あぁ、こいつはホントに…何も変わってねぇ。
初めて会ったあの日から…。
バカでお人よしで、うっとおしいくらいのお節介のままだ。
「…でも、私、柳人が戦わないって言ってくれて…少し安心してるんです」
「…安心?」
「私、もうこれ以上…柳人が傷つくのは見たくないですから」
は……?
こんな時にまで、お前は…。
なんで……なんで俺の心配なんかしやがるんだよ…!?
「じゃあ、お前は…。
…小梅は、自分はケガしてもいいって思ってんのかよ…!?」
「え…!?い、いえ、それは…!」
「…………バカじゃねぇの…」
耐え切れなくなって俺は化学室を後にした。