Strawberry & Chocolate
No.14 一人よりも二人で~柳人side
なんか…すっげえ気分がわりぃ。
何なんだよ小梅は…!?
なんであいつは出逢った時から俺の心配ばっかすんだ!?
なんであいつは俺が傷つくことをあんなに嫌がる!?
中2のあん時も…!
わけわかんねー…!
そんな思考のまま、俺がたどり着いた先はやっぱり屋上だった。
先ほどの夕暮れから一変し、外はもう夜の暗闇に染まっていた。
住宅街やオフィス街の灯りがヤケに眩しく感じる。
さっきよりも強く冷たくなった風にうたれながら、俺はただぼんやり街を眺めていた。
俺は…独りになりたかった。
独りにならなきゃいけない。
その為にここに逃げてきた。
なのにこの街に来て、その願いが叶ったことは一度もない。
どいつもこいつも、俺なんかほっときゃあいいのに。
なのに、なんで…っ!
『お前ってさー、ホントへたれでバカで鈍感なんだなー』
「なんだと!?…って、お前、いつの間に!?」
化学室の机にいた魔法生物とかいうへんてこなぬいぐるみがなぜか俺の肩に乗っかっていた。