Strawberry & Chocolate

『ウソだろ…!?
あれ〝Hope Lights〟…か!?てか杖って!!』





何一人でぶつくさ言ってんのよルゥ!!



どうすればいいのよこの状況!?



目の前に固まった怪物と地面に突き刺さった杖なんて!!







『こーなったらイチかバチか……。
リナー!!その杖使えーっ!!イーヴルを倒せる……かも』



「えぇ!?」





イーヴルって何!?



てかいきなり使えなんて言われてもっ!!








『早くしろ!!またソイツが動き出したらどうすんだよ!!!』



「……うーっ!!…わ、わかったわよっ!!」






あたしは涙を拭い、震えてへにゃへにゃになってる足に何とか力を入れて立ち上がった。





わけわかんないし、超コワいし…!




でも…こーなったら…やるっきゃないっ!!




地面に突き刺さっていた杖を抜く。




覚悟をきめて、この杖で目の前のデカい怪物を―…!!






……って。






「使えるかぁあーーっ!!」





ふざけんじゃないわよ!!



あたしはどこの萌えゲーキャラだっ!!







『ち…っ。やっぱしノリだけじゃ無理か…』





どうすんのよ!!



結局振り出しに戻っただけじゃん!!




こうなったら潔く逃げるしか…っ!!







『おいリナ!!前!!』






顔を上げるとさっきまでピタリと止まっていた怪物が動き出していた。



その動きはあたしを傷つけようとするものじゃなくて、まるであたしに向かって手を差し出すかのような動き…。




昔、ソラがあたしに手を差し伸べてくれた時のような……。

< 94 / 266 >

この作品をシェア

pagetop