Strawberry & Chocolate
『……ワレ…ト……ニ……』
何かをあたしに伝えようとしてる…!?
「何が…何が言いたいのよっ!?あんた…ホントに何なのよ!?」
『…ワレ……ト…モニ……』
ト…モニ…?
トモニ……共、に!?
カタコト過ぎて理解するのに時間がかかったけど…!
ようやくわかった。
コイツはあたしをどこかに連れて行こうとしている。
…冗談じゃないわよ!!
「あんたなんかと一緒になんて行くもんですか!!あたしはどこにも行かない!!
いい加減に…ここから出て行きなさいっ!!」
それは完璧無意識だった。
さっきのルゥとの会話のせいなのか、それとも怪物が言った言葉のせいなのか、理由はわからないけど。
あたしは無意識のうちに手にした杖でその怪物の頭部を思いっきり叩いてやった。
中村園で子供たちを叱るように。
恐怖とか緊張とかなんかそんなの全部吹っ飛んでいた。
『グギャァア…!!』
そんな叫び声とともに怪物はその場から見る見るうちに消えていった。
まるで風化して塵になっていったかのような…。
状況が状況なだけに、あたしの頭がついていかない…。
あたしはしばらくその場に茫然と突っ立っていた。