Strawberry & Chocolate
No.19 見覚え~リナside
『リナーっ!!大丈夫かーっ!?』
ルゥがあたしに駆け寄ってくる。
てゆか、あたし…さっきまで立ってたハズなのに、いつの間にか地べたに座り込んでるし。
急激に力が抜けちゃった…。
『あんな杖の使い方するヤツ初めて見たが…。
ま!結果オーライだ!!よくやったな!!』
…よくやった…のかなあたし。
何かただバタバタしてただけだと思うんだけど。
…まぁ、いいかっ。
何はともあれあの怪物は消えちゃったんだし!!
夢には出てきそうだけど…。
てかこの杖どうすんのよ?
あたしは地べたに転がっていた杖を拾い上げる。
突然空から降ってきた奇妙な杖。
装飾とか見た目は綺麗なんだけど。
雨粒じゃないんだし空から降ってくるなんて有り得ないでしょ…。
それにこんなの持ってちゃ色々ヤバい人みたいに見られる。
どっからどう見たって魔女っ子アニメの杖なんだもん。
杖の処遇に悩んでいたまさにその時。
杖が一瞬光ったかと思うと、あっという間にそれは形を変え、小さな長方形の石に。
…何なのこのタイミングの良さ。
都合良すぎでしょ。
その石はちょうど学生がよく使用する消しゴムサイズくらいで真ん中になにやら紋様が描かれている。
『やっぱ〝Hope Lights〟かー。それにしてもなんで…。
って、どしたリナ?』
…わかんない。
…わかんないけど―…。
あたしは食い入るようにその石を見つめた。