▽ゆめ恋▽
「………じゃあ裕希にします。」
「おう。」
無言がつづく。
どうしよう。なんか喋って。
「なぁ美奈子」
「っ!」
「はははっ。お前が呼び捨てなら俺も呼び捨てにするわ。」
「何それっ。びっくりした、いきなり……呼ぶから。」
「わりぃ。」
私達は互いに顔を見た。
そして微笑んだ。
ゆずの香水とまゆのおかけで裕希と近付けた気がした。
「やべっ。遅刻するぞ!走ろ!」
「あっ。うん!」
時計の針はもう8:13をさしていた。
今日は時間が経つのが早い。