女子高生と魔法のランプ

新しいトモダチ

「よぉ!瓜!!」



大衆の視線をこんなに浴びた事が果たして瓜にあっただろうか。

とりあえず瓜は普通に対応するしかスキルを持ち合わせていなかった。





時間は少しさかのぼる。




「なんか、ランって思ったより現代背景の理解早いんだね」

「まぁ、前に出て来たのがたった60年前くらいだからな」


人の感覚ではわりと長いのだが。
それに、瓜の祖父は今も昔もお喋りだったようで、その時にその時代のあれやこれやを一方的に聞かされたのだそうだ。


だからどうやら時代のギャップもそこまで酷いものではないようだ。

ところで、いつまで彼は女子の部屋に居座るつもりなのだろう。



「私、明日も学校だからそろそろ寝ようかと思うんだがー…」


さて、とでも言いたげに11時を示す時計を指す瓜をランはキョトンとした顔で見返す。
知識も年月も遥かに重ねているランの表情はその端々に大人びたものを感じさせたがその不意を突かれた顔はまるで瓜とそう変わらない歳の青年のようで、少しかわいらしい。


「…そか。ガクセーってのは学問を覚えるのが仕事だって言ってたもんな」

そう思い出したように言うランに少し笑う。


「先の仕事探しの有利さと人慣らしを兼ねた通過儀礼みたいなものだよ。
わざわざお金を出して子供でいられる時間を引き延ばしてるとも言う」
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