女子高生と魔法のランプ
「…?」

かくり、と瓜は首を傾げ詳細を暗に求める。

「疲労のない体質に変えてやろうかって」


やはりランは察しが良い。
あぁ、と瓜が合点が行った様子で僅かに声を漏らす。
そして、


「いやいや、それは結構」


やんわりと断った。


「なんだよ。代わりになんかしろとか言わねーって」

「んー…だとしても、やっぱり結構ですわ」
「……」

「…なんていうかな、友達にしてもらうことじゃないかなーと」


不思議そうに眉を寄せるランを横目に、瓜は俯きながらもへらりとした。

ランはたっぷり1分以上は黙っていたが、やがて「…ふーん、友達ってよくわかんねーな…」と呟き前を向いた。







「はい、終点屋上ー」

「へー」


快晴の空を見上げる。

ランにとってはなんてことない、少し行こうと思えば簡単に飛んで行ける空だが、瓜には遠く高い場所。

その認識の違いについて二人はまだハッキリとはわかっていない。


「さーて、ラン教室への帰り道はわかるよね」

「お前俺を誰だと思ってんだ」

「ランプの精のラン様。私このままお昼していくので、先戻っててもいーよ」

「なんだそれ。願いか?」

「んーや、強いて言うなら先生に言うならせめて私が起きた後にしてくれるとありがたい」

「言うとどうなんだよ」

「怒られる」

「だから言うなと」

ちっちぇー願いだなとこぼすと瓜はなははとのらりくらりと笑いながらごろんと寝転ぶ。


「強制力はないよ。言いたかったら言ったら良いよ」

「………」
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