女子高生と魔法のランプ
長めの髪を散らばらせて無防備に目を閉じる瓜に、ランは苛立たしげに舌打ちをすると隣にごろりと寝転んだ。


「…転校初日からサボりだなんてなかなか太い度胸をお持ちで」

「あったり前だろ!ランプの精なめんなよ!」


何故そんなにも喧嘩腰なんだろうかと瓜は思う。

ランの精悍な瞳が瓜を捉えすぐにまた空を映す。



「…言わねーよ。言わねーし、一人でも戻んねー。俺も寝てく。俺がしたいからする。文句は受け付けねー」

「…ふは、ないよ。文句なんて」


そう言って柔らかく吹き出した瓜を横目にして、浅黒い目元を僅か赤くしながらもランは満足そうに口を尖らせ目を閉じた。








ランはあらゆる事に対して有能ではあるが今までの存在価値のために強制力のない願いを前に自分の意志を介入させることに慣れていない。

なんとなく、瓜が彼が願いを一つと提示してきた時に思ったのは、同じ目線で関係を築きたいと言うことだった。


それがどうしてなのかはハッキリとはわからないが、瓜は穏やかな眠りに向かう意識の中で、

これで良い、と思った後、

これが良い、と思い直した。
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