女子高生と魔法のランプ
それにしても汚れている。
埃が層を成して纏わり付き、何処に保存されていたのか固まってしまったらしいところまである。


魔法のランプでもこんなに汚れていては擦ったとて反応できまい。
しばらく手で擦ったりハンカチで拭ったりすると、幾分かマシになったようだった。
磨耗して埋もれるように消える模様が見える。
それをそっと撫でる。

古いからなのか、はたまた自分のように面白がって擦った人がたくさんいたのか……



「…御呼び立てありがとうございます」

「!?」


突然近くで聞こえた聞き覚えのない声に肩が跳ね上がる。
顔をあげると、そこにはターバンを巻いた浅黒い肌の青年が立っていた。

鷹に似た目付きに意思の強そうな眉。
マントに包まれるように隠された身体は足が煙となってランプからたゆたっている。


「私(ワタクシ)はランプの魔人、御主人様の願い事を3つまで叶えましょう」



そう言って瓜に頭を垂れる。
瓜は半ば放心していた。
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