女子高生と魔法のランプ
「…あ?えーと、あの、お名前は?」

「特定の名はございません。
その都度御主人様の好きに呼んでいただいております」


普通に受け答えができる。
瓜は急速に落ち着きを取り戻していた。
願いと言われても、急には出てこない。


「魔人さんは願いってあるんですか?」


魔人と呼ばれた彼はきょとんと目を丸くしたが、やがて少し微笑むように顔を歪ませた。


「そうですね。
私であれば、ランプからの解放。
"自由"を、望みます」


そう言ってそのたくましい両手首に付いた金の腕輪を撫でる。
磨耗したランプの柄を彷彿をさせる彫刻が施されていた。



「じゃ、それで」

「……は?」

「私の願いは魔人さんが自由になることです」





いとも簡単に、腕輪はその手首から外れ、カシャンと音を立てて板の間に、魔人の足元に落下した。
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