女子高生と魔法のランプ
お、おぅ、とやや呆気にとられながら返事をした魔人を背に、瓜は蔵を後にした。

そのまま庭を通り、縁側から靴を脱いで和室を突っ切り食卓へ行くと、やはり家族全員は既に食事を始めていた。
落ちていない埃を母親に窘められながら席に着き、箸を手に取る。
とりあえず食べる前に思い出したので報告しておく事にした。


「あぁ、おじいちゃん」

「んん?」

「蔵にあったランプだけど、中の魔人サン自由にしちゃったよ」

「おぉ?…あーあーあー!
そーかそーかぁ!瓜は良い子だなぁ!!」


魔人の存在はどうやら確認済みだったのか、祖父は思い出した様子で明るく笑った。
両親は興味を持ったが、瓜は食べたかったし祖父はおしゃべりだったので、祖父の思い出話に花が咲く。


若い頃インドの方を旅した時に手に入れ、魔人と対面し、自由を願ってやると約束したのを忘れ早々に三つの願いを使い果たしてしまったのだそうだ。


祖父らしい話だった。
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