空の彼方へ
奪われた能力(ちから)
レストはリァリィの能力(ちから)を奪われた絶望感でしばらくリァリィの肩を掴んだまま、動かなかった。



「レスト…」


チェールが彼の名を呼ぶ。

「…俺は…リァリィの何の役にも立てなかった…リァリィの能力(ちから)を奪われて…どうやって取り返せばいいんだよ…」


「レスト…元気出して…まだすべてが終わったわけじゃないよ?」


アミストも心配するが、返事はない…。



するとリァリィはレストの頬を撫でる。


「リァリィ?」


リァリィはただレストを見て口を必死に動かしている。



リァリィの口の動きで何を言ってるのかがだいたい分かった。



―レスト…元気だして…私は大丈夫だから―



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