オトメギキョウ
ある日、優は久し振りにテニスクラブにいった。

テニスをしたら、少しでも楽になると思ったから……

しかし、優はこの時ある事を忘れていた。

いじめの主犯のゆいがテニスクラブにいることに。

「優、来たんだぁ。キャハハハ ここでもいじめられることわかってんのぉ」

「っ……そんなの分かんないじゃん!」

「わかるよぉ。みんな~やっちゃってぇ」

ゆいの一言でテニスクラブに来ている子全員が優にテニスボールを投げつけた。

「(なんで、こんなことになるの……やめてよ!)」

テニスクラブでも学校でもいじめられ、優の精神は体ともにボロボロになっていった。

そして、テニスも上手くいかなくなり、優はラケットで膝や肘をボロボロになるまでなぐった。

逃げ道の転校も引っ越しするお金がなかったので、無理だった。

そして、こんな生活が約1年半も続いた。

そんなある日、優はボロボロになった姿で町を歩いていた。

「ハァ~あっ、本屋によっていこ」

~本屋~

「何買おっかな~……ん?」

本屋に入って、チラッと下の方を見ると〈テニスの王子様〉の漫画が置いてあった。

「あっ、テニプリだ。1回しか見たことないし、買ってみようかな」

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