ｵﾄﾒｷﾞｷｮｳ

ー続きは言わないのか？ー

「続き？」

「……私はその後転校して親友と呼べる子ができたんです。その子は私の過去を知っても仲良くしてくれるというので、打ち明けてみたんです。…そしたら次の日からその子はまるで今までのが嘘のように私をいじめてきました。【親に捨てられた子】ってことだけで私は裏切られました。このことがあって、人間不信になり、人に触られることが好きじゃないんです。……これくらいです。」

ｷﾞｭｯ

美和が優を優しく抱き締めた。

「えっ…」

「辛い思いをしたわね。私達は貴女を絶対に裏切らないわ。……だから安心して…」

最初は驚いた優だが、美和の言葉をきいて、ゆっくりと腕を美和の背中に回した。

「！！！……よしよし」

抱き返してくれるとは思ってなかったので少しびっくりしたが美和は優の頭を優しく撫でた。

「あ、たたかい……」

ー優、わかったか？人間にも心が温かいヤツがいるんだ。こいつらはアイツらとは違うー