ｵﾄﾒｷﾞｷｮｳ

「……赤也。行こっ！」

「はっ？でも……」

「いいから行こっ！」

「優！ちょっと待って！」

「……何？」

「話が……あるんだ……」

優のお父さんが優をしっかり見ながら、言った。

「私をない！」

そう言って、少し早歩きになった優。

「優！止まれっ！」

ﾋﾟﾀｯ

優は赤也の言葉で立ち止まった。

「何？赤也」

「前に進むチャンス逃そうとするなよ……なっ、優」

「………分かった……ねぇ、何で来たの？」

「えっ？……バ、バスだけど……」

「私達車だから乗って」

「えっ？」

「話があるんでしょ？」

「あ、あぁ」

「お墓参りは今度でいい？」

「ええ。いいわよ…」

そして切原家四人と優の母と父は赤也が運転する車に乗った。

「赤也。ナビに従って運転して」

「おう」





ﾊﾞﾀﾝｯ

目的地について、優達は車を降りた。

「優、ここどこだよ」

「お母さん達の家だよ……8年振りか…」

「どうぞ。入って…」

優のお母さんに言われ、優達は家に入った。