オトメギキョウ
「熱いお茶でいい?」

「いらない。話があるんだったらさっさとして。時間を無駄にしたくないの」

「……そうね……優、今までごめんなさい…」

「いきなり何よ」

「俺達、翔を失って、優を失って、すごく後悔してたんだ。なんで優を捨てたんだろうって……優が一番辛かったはずなのに……本当にすまなかった……」

そう言って、優のお父さんは席を立ち、頭を下げた。

バンッ!

優が机を思いっきり叩いて立ち上がった。

幸い、二人の子どもは赤也に抱っこされていた。

「ふざけないで!今さらなんなのよ!今さら謝ってきてなんのつもりよ!何?お金が目的なの?」

「優、落ち着け!」

「そう。お金が目的なのね。お金ならいくらでもあげるわよ!」

「優!!!」

「……赤也」

赤也が大声で優の名前を呼んだことで優は喋ることをやめた。

「少しは落ち着け」

「うん……」

「優……今まで謝ることが出来なかったのはお前がどこに住んでいるのかわからなかったからだ」

「調べたらよかったじゃない」

「いくら調べても見つからなかったの…」

「あのーいつぐらいから優を探し始めましたか?」

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