お箸付けますか?
「…で、先輩はいるんですか好きな人?」
一向に食べる手を休ませず聞いてくるメガネ君。高いであろう黒毛和牛のなんたらは、すでに残り一口となっていた。
「…いないな。」
半分以上残ってる安いドリアを口に入れながら答える。
「先輩ってカッコいいのにモテませんよね。」
そう言って豪快に笑うと、残りの一口を食べきった。
そうして俺がドリアを食べてる間も、色々質問を繰り返ししてきた。
その質問を半分適当に聞き流しながら返答してると、デザートのメニューを見だす始末。
それに気付いた俺は、急いでドリアを食べ切り店を出るぞとメガネ君を促す。
なかなか席を立たず、物欲しそうな目でメニュー表と俺を見てくる。
そんなメガネ君を半ば強引に席を立たせ、会計をお願いする。