お箸付けますか?
案の定凄い金額だ…。ざっと計算して俺が食べたドリアの6倍はする。
予定外な出費に、定食屋にでもすれば良かったと今更ながらに後悔。
と同時にもう2度とコイツと食事に行かないと決めた。
「先輩!ごちそうさまでした!」
店を出ると、先に出たメガネ君がお腹の辺りを擦りながら、満面の笑みを浮かべ言う。
「…別にいいよ。かわいい後輩の為だからな。」
「エヘヘ。さっすが拓哉先輩!」
皮肉たっぷりに言ったつもりが、コイツには伝わらなかったようだ…。
「今度は絶対先輩に奢りますから!」
「…いいよ別に。」
「ダメですよ〜。あっ!明日の昼飯奢ります。何カップラーメンがいいっすか?」
……昼飯かよ!…しかもカップラーメン限定。
「……味噌で。」
呆れ返った俺は力なくそう返した。