お箸付けますか?
「…あっ痛。先輩!急に止まらないでくださいよ!」
前を歩く俺が急に止まった為に、キョロキョロしていたメガネ君が背中にぶつかってきた。
「お前、アレどう見る?」
「へ?」
俺が指差した方向には女の子が1人と、とってもイカツイ男の子が2人。
「……どうって、女の子が絡まれてるんじゃないんですか?」
「…だよな〜。」
「…先輩、早く行きましょうよ〜変な揉め事に顔突っ込まないで、飲みに行きましょ。」
ぶつけた鼻を擦るメガネ君の戯言を聞き流しつつ、じっとその様子を見る。
人通りの無い飲み屋街で、たまに通る人も見て見ぬふり。
「よし助けるぞメガネ君。」
「へっ?……やめましょうよ〜ヤバイですって。」
子供みたいに駄々をこねるメガネ君の襟を掴み、とってもイカツイ男の子の方へと歩み寄って行った。