お箸付けますか?
多分大丈夫であろうが、一応聞いてみる。
「大丈夫ですか?」
俺に続いて店長も一応聞いてみる。かなり心配してるのか、顔に動揺の跡が伺える。
しかしこの面白い出来事は、店長のせいでもお店のせいでもない。自動ドアのセンサーに引っ掛からない、こいつの存在感の無さが悪い。
それよりも拓海だ。
何だかさっきから笑いっぱなしでヒーヒー言っている…。
目にはうっすら涙を浮かべ、お腹痛いと苦しそうだ。
大丈夫ですか…?
そう心の中で拓海に問いかけた時、土下座状態の生き霊がか細い声で言った。
「…痛い。」
「どうした?どこが痛い?」
とりあえずそう返すしかないので聞いてみる。
店長も固唾を飲んでメガネ君の言葉を待った。