お箸付けますか?
「…なんでやねん。」
か細い声で呟くメガネ君。
見えないが、多分気持ち悪いぐらいの笑顔だと声から想像がつく。
「申し訳ありません。……あの〜これ、おにぎりとか落とされたものです。」
自動ドアに挟まれた時にぶちまけたメガネ君の昼飯達。
「かまへん、かまへん。」
受け取りながらもなぜかまた関西弁。
何度も頭を下げながらメガネガールは店内に戻っていった。
その場に立ち尽くしたまま動かないメガネ君。
「奇跡や…」
仁王立ちのメガネ君から、またしても関西弁まじりのか細い声が聞こえてきた…。