仮面王子
「ぷははははっ‥だってお前‥僕、悲しいよ‥って‥」
「っ‥ふっ‥」
涼くんのバカにする声を聞いて思わず吹き出しそうになるもそこは頑張って耐える。
「姫子、車で待ってろって言ったよな?」
いつもより低い声で責められるが‥
笑いを堪えるのに必死で蕾斗の顔が見れない。
「おい、姫子‥」
それなのに顎を掴んで顔をあげさせようとする蕾斗にとうとう堪忍袋の尾が切れた。
「っちょ、ほんとに勘弁して‥まじ人がどんだけ笑うの我慢して‥‥‥あ‥」
わぉ‥
怒りゲージMAX‥
「ふーん‥そんなに楽しかった?俺の顔」
さっきの爽やかスマイルと何ら変わらない筈なのに‥
明らかにオーラが違う‥。
「涼くん‥」
涼くんに助けを求めても‥
「さてと、俺は帰るとするかな‥。オヤスミ〜」
逃げやがった‥
逃げやがったよ、男の癖にぃーっ‥
「じゃあ、俺等も帰ろっか♪姫夏ちゃん♪」
‥‥‥初めてこんなにも同じ家と言うことを恨んだ。