仮面王子
「さぁてと‥
後はお前かぁ‥」
ドアの向こうから現れた彼を見て心臓が止まるかと思った。
なんでっ???
「随分泣かせてくれたみたいだけど‥」
なんでここにいるの?
さりげなく私と男の間に立ち、男から私を遠ざける。
「な‥お前まさか歌手のRaito‥」
「だったらどうなんだよ。
それより‥
覚悟はできた?」
ニッコリ微笑む蕾斗なんだけど‥
こっ怖い‥
「姫子、目伏せとけ。」
「ふぇっ?」
──バサッ
理由を聞く間もなく、タオルを投げられ視界は真っ暗。
──ボコッ
──バンッ
なんか‥‥
すごい音がしてるんですけど‥?
「俺の姫に手を出すなんて、相手が悪かったね」
───バタンッ
最後にすごい大きな音がして‥‥
視界が明るくなった。