仮面王子
「蕾斗くん!!どこに行ってたんですか!まったく君は〜!
って、姫ちゃん?!」
「石川さん‥、
こんばんは」
やっぱり蕾斗抜け出して来たのかな?
「なるほど‥
蕾斗くん、姫ちゃんのとこに行ってたんだ」
「‥‥‥‥」
相手を探るような表情で見つめる石川さん‥
だけど、蕾斗はそれを軽くスルーして
「ライブ再開してきます。姫子、これ着とけ」
ポスッ──
上着‥‥?
‥‥‥っ/////
その時、初めて自分の格好に気付いた。
そう、制服のブラウスはボロボロ。ボタンは外れてるし、靴下ドロドロだし‥
私は羞恥の気持ちで一杯になり、慌てて上着を着た。