仮面王子
「そりゃ仕事仲間だし‥」
「そっか、そうですよね」
「姫子‥?」
「なんですか?」
「なに怒ってんだよ」
怒ってる?
私が?
「え?何言ってるんですか?別に怒ってませんけど」
「いや、怒ってるじゃん」
「だから、怒ってないって!」
「やっぱ怒ってんじゃん‥」
「なによ‥」
なによ、ほんとなにっ?
「‥‥れのせいで‥」
「はぁ?」
「誰のせいで怒ってると思ってんの!」
「は?んなの知るか」
うっざー‥
「私はあんたの家政婦になったつもりなんてないっ!」
言いおわると同時に足が走り出してた。
「姫夏っ」
なによ‥
こんな時だけ名前で呼んじゃってさ‥
私の足は‥‥‥
いったいどこへ向かってるのでしょう‥?