仮面王子
「はぁー‥
またかよ‥」
「蕾斗昨日も他の女の子と一緒にいたんだね‥」
なによ。
高梨さんはどうしたっていうのよ、高梨さんは。
「バカかお前、昨日はてめぇと一緒にいただろ」
あ、それもそうか。
じゃあこの報道はいったい?
『どうやらRaitoさんは昨日、一般人の女の子といたらしいんですよ』
「一般人とか‥」
なによ、一般人って。
どこで知り合ったのよ‥‥
『え、でもRaitoくんといえばこの間某女優との熱愛が報じられていましたよね?』
『ええ、その某女優さんも昨日Raitoさんのシークレットライブで発見されてますし』
『それが昨日、その一般人の方を抱き抱えてたらしいんですよ』
え?
抱き抱えてた?
「ねぇ、蕾斗これって‥‥」
『えぇ?!一般人の方をですか?いったいどうなってるんでしょう?』
「完璧姫子の事だな‥」
私かよ?!
『こりゃあ、Raitoさんにとっては大打撃でしょうね』
だっ、大打撃?!!
そうなの?
こっそり蕾斗を覗き見てみると、特に興味なさそうにソファーに座って携帯をいじりはじめていた。
私、蕾斗の迷惑になっちゃったんだ‥
「蕾斗、ごめん‥」
蕾斗の仕事の負担にはなりたくなかったのに‥
私ってばなにやってんだろ‥