仮面王子
「姫子‥おいで」
蕾斗は珍しく優しい笑みを見せると、自分の隣に座るように私を託した。
大人しく私が隣に座ると蕾斗は私の頭をポンと撫で
「俺は売れっ子だから、こんな報道痛くも痒くもねーんだよ」
「でもっ‥女あさりなんて王子の評判がた落ちだよ?」
「余裕だし‥俺を誰だと思ってんだよ?蕾斗様だぜ?」
蕾斗様って‥
ほんと自信家なんだから‥
「ってか、なんでお前が泣いてんだよ」
「っな‥泣いてないし」
思わず目を反らしちゃったし‥
本当に大丈夫なんだろうか?
「もう怒ってないんだ」
「あ‥‥‥」
そう言えば私怒ってたんだっけ?
「私、家政婦じゃないもん」
「うん。ごめん」
「‥っ‥//」
そんな目で‥‥
そんな顔で‥‥
そんな声で謝られたら許すしかないじゃん‥
「姫子は、俺のオモチャだった」
「‥‥‥は?」
オモチャ‥?
「あの、蕾斗さん。私怒っちゃいますよ?」
「クスッ‥冗談‥」
いや、冗談って。
「とにかく、姫子‥‥
姫夏は俺の大事な‥
特別な存在だから。なにがあってもそれは忘れんな」
「‥‥〜〜っ///」
急に名前で呼ばないでよ‥
心臓が‥‥
おかしくなっちゃう‥‥