仮面王子
「姫子‥」
今のは夢‥?
蕾斗の呼ぶ声がするが体が重くてもちあがらない。
「ごめんな‥
約束したのに‥」
約束‥?
「何があっても俺が守るって言ったのに‥。
今は、涼の力がないとなにもできない‥」
蕾斗‥‥
「ホントは俺の手でお前を守りたいんだ‥っ‥でも‥、それが出来ない‥」
そんな風に思ってくれてたんだ。
「姫子、俺の事を嫌いになんないで‥」
ギュッ──
蕾斗に握られた手のひらからの温もりが心地よくて‥
再び眠りについていた。