仮面王子
ん〜
‥‥‥‥さっきから周りの視線が気になります。
同じ学校の子もだけど、他校の子まで私を見てこそこそと言ってる‥。
まぁ、写真もあがってるみたいだし仕方ないっちゃあ仕方ない事なのかもしれないけど‥‥
「はっきり言えばいいのに」
え??
「葵衣‥」
「ほんとほんと。感じ悪いよねぇ」
「苺‥」
「言いたい事あんなら、本人にはっきり言えっつの‥」
「2人とも‥どうして‥?」
「どうしてって‥何がぁ?」
「私、2人に隠し事してたのに‥」
すると2人は、顔を見合せるとクスッとおかしそうに笑い
「どうしてって‥」
「友達だからに決まってんじゃーんっ♪」
友達か‥
2人の言葉に目がうるうるしてきた私。
「2人して感動する事言わないでよっ」
「ふふっ‥もう、姫?泣かないのっ」
「ほんとだよ〜。でも、姫も水くさいよね〜、あんな美少年と知り合いな事黙ってるんだもん」
「ごめん‥‥」
「とりあえず話は学校でね。聞かれるとまずいんでしょ?」
こんな状況でも周りを判断できる葵衣はホント凄い。
私は葵衣の言葉にコクンと頷くと、周りの視線から逃れるように学校への歩みを早めた。