仮面王子
「………で?」
ニッコリ笑顔で話の先を託す葵衣。
「えっとですね‥」
私は、蕾斗と同居する事になった経緯や、あの野外ライブの日の出来事。
そして、昨日の涼くんが迎えに来た理由を包み隠さず説明した。
「‥‥という事です」
唖然とした表情の苺の傍ら、葵衣はそこまで驚いてない様子だった。
「まさかあのRaitoと同居してるなんてぇっ‥」
「‥あは‥あはは」
もう苦笑する事しか出来ない。
「葵衣っ!そんな冷静な顔しちゃって‥
驚いてないのっ?!」
そんな葵衣に気付いたのか苺が葵衣に問いかける。
「驚いてるよ?」
いや、全然見えないし‥
「で、姫はそのわがままアイドルの事が好きなのね?」
やっぱりニッコリ笑顔の葵衣は有無を言わせない笑みで聞いてきた。
私が蕾斗を‥‥?
好き‥‥‥‥?